食事に関するお話① 糖尿病について (再掲載)

糖尿病

 血液に含まれる糖は、生きるために欠かせないエネルギー源になります。食事からとり入れた糖を、エネルギーとして消費を行い需要と供給のバランスがとれていれば問題はないのですが、「食べすぎることがよくある」「間食・夜食が多い」「運動習慣がない」など思い当たる人は、余った糖が血液中に停滞し、糖の濃度(血糖値)が高くなった状態の「高血糖」になっている可能性があります。

健康診断で血糖値は正常と言われた人でも、空腹時の血糖値が高くなってくるよりも前に、食事の後にだけ血糖値が急上昇する食後高血糖を起している可能性があります。高血糖を繰り返すうちに空腹時の血糖値も上がり、ついには糖尿病を発症します。

2011年の日本の糖尿病人口は1067万4320人に上り、糖尿病人口の世界ランキング第6位になっています。糖尿病の恐ろしさは重症化するまで自覚症状がなく、気がついた時には合併症が進行している点にあります。高血糖が続くと血管が傷つけられ、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。

高血糖を防ぐために気をつけたいことの第一に食事があります。最近では糖質のみを制限する「糖質制限食」が関心を集めていますが、今年3月に日本糖尿病学会は「現時点では糖尿病患者に糖質制限食は勧められない」とする見解を発表しました。安全性などを担保する証拠が不足しているというのが理由になっています。

 食に関するさまざまな情報が氾濫し、食が多様化する今だからこそ習慣化した食生活の問題を見直してみてはいかがでしょうか。IMG_3614.JPG

 前病院 栄養科 井出慶子さんより