様々な形状の人工血管

どのような形状かといいますと、例えばまっすぐの人工血管に細い分枝(枝)がついていたり、大動脈弓部の手術の為に頭部や手に血液を供給するための動脈を再建する枝がついていたり。はたまたお腹の動脈(腹腔動脈、上腸間膜動脈、両側の腎動脈)を再建するための枝がついていたりと。いろんな形状の人工血管があり、メーカーによっても微妙に違いがあります。最近では腹部大動脈用の逆Y型をした人工血管のYに分かれた足に向かう動脈の再建用の部分が太くなったものが出ています。これは解剖学的に良いサイズだと思います。また最近盛んにおこなわれるステントグラフト(特に胸部のためのTEVAR)の為に良い経路にもなります(細い足の人工血管を用いると、TEVAR用のカテーテルがうまく挿入できない、抜けない、なんてことも考えられるのです。)。人工血管は時代と共にどんどん使い勝手や機能が良くなっています。IMG_0521

心臓血管外科医 菊地慶太