中国でもMICS CABG(低侵襲冠動脈バイパス術)の手術例が増えてきています。MICS CABGは左の前胸部を小さく切開して行う冠動脈バイパス術です。従来の方法のように胸の真ん中を大きく切りません(胸骨正中切開)、女性の場合には乳房の下で切開するので、傷はほとんどわかりません。全ての患者様がこの手術の適応となるわけではありませんが、カテーテル治療とのハイブリッド治療(ステント治療と低侵襲手術を掛け合わせた治療)や、車の運転などが仕事の方、両側の内胸動脈を使用しない状況の患者様などとても良い適応です。国を超えても胸骨を切らないメリットは思いのほか大きいようです。(写真は患者様の許可を頂き掲載させていただいております。)
心臓血管外科医 菊地慶太