症状として多いのは“息切れ”などです。弁膜症の患者様は病状が進行してくると、少し動いたり坂道や階段の昇降で息切れが出現します。動くと苦しくなったり、はあはあと息が切れて、休まないと動けないこともあります。その他に動悸なども自覚することがあります。特に僧帽弁の弁膜症では、緩徐に症状が出現するために、知らず知らずのうちに階段や坂道など、症状が出そうなところは避けて通ります。だんだん弁膜症自体に慣れてくるために、症状を伺っても、“症状はありませんと” おっしゃる方も以外に少なくありません。
診察を行うにあたり、最初に症状を伺います。この時日常生活ではどのような事ができて、何ができないのかなどが参考になります。また聴診器で心臓の音を聞くと雑音が聞こえるために、聴診器を用いて心音を聞き診断します。その後は心電図検査で心臓の負荷の様子や不整脈の有無を確認し、心臓の超音波検査を行えば心臓弁膜症の程度も含めて確定診断がつきます。ここまでの検査は体への負担はありません。
レントゲン検査では心臓の大きさや拡大している部位の診断を行います。患者様によっては胸腔内に胸水が溜まっていることもあります。
検査は容易に行うことが出来ます。健康診断で異常があったり、動悸や息切れなどの症状がある場合にはご相談ください。ご相談いただければ水曜日、金曜日の私の外来でご説明いたします。
心臓血管外科医 菊地慶太