EVARとは“endovascular aortic repair”といい、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療の事をいいます。そしてTEVARとは“thoracic endovascular aortic repair”胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術をいいます。英語表記では名前が違いますが、日本語はどちらもステントグラフト内挿術です。“腹部の”とか、“胸部の”と頭につけますがステントグラフトです。このあたりは日本語のあいまいなところです。
また、似た言葉ですがステントグラフトとステントとは違います。ステントグラフトは太い血管(大動脈や腸骨動脈)に使用します。動脈瘤の治療の為に用います。金属でできたステントに薄い人工血管がついており、ステントグラフトの外に血液が漏れないように作られています。血管の内側から補強する考えです。方やステントは血管を拡張した後に再狭窄を予防するために用います。人工血管のカバーはついていません。細い血管(下肢の血管や冠動脈)に使用します。同じような名前ですが用いる場所や治療の考え方が異なります。
心臓血管外科医 菊地慶太