第10回(平成30年8月9日放送内容)今回は心臓弁膜症についてです
(小高)日本人の死因の第2位となっている「心臓の病気」を中心に、健康と最新医療について専門の先生に教えていただいております。ゲストは一宮西病院のハートセンター・センター長で、心臓血管外科統括部長の菊地慶太先生です。よろしくお願いします。
(菊地)よろしくお願いします。前回までは「狭心症」や「心筋梗塞」についてのお話をしていましたけれど、この暑さで皆さん脱水症状になってしまって、心臓の病気が意外と夏場も多いのでぜひ気をつけていただきたいです。
(つボイ)脱水になると心臓にも負担がかかる?
(菊地)そうです。血管が詰まってしまうなど心臓に負担がかかります。
(小高)心臓にも関係してくるんですね。以前までは心臓病の中で「狭心症」と「心筋梗塞」についていろいろと詳しく伺ってきましたが、今回からは「心臓弁膜症」についてお話を伺います。
(菊地)そうですね。「弁膜症」を聞いたことはございますか?
(つボイ)聞いたことはあります。
(菊地)ありますか。心臓には弁といって“扉”があるんですが、いくつぐらいあるかご存知ですか?
(小高)これはね、まず心臓にはお部屋が4つあるんです。
(つボイ)心房・心室が左右にありますね。
(菊地)いいところに気付きましたね。実は心臓には4つの扉、いわゆる弁があります。
(小高)1部屋1つだ!
(菊地)1部屋1つというよりも、とても大切な心室という部屋が右と左にありますが、その入り口と出口に扉があるとご理解ください。
(小高)なるほど、そういうことなんだ!
(菊地)その扉は交互に開閉するんですね。ですから心臓にとってはとても大切な扉なんです。この扉が硬くなって上手く開かない状態を「狭窄症」といい、この扉が上手く閉じてくれない状態を「閉鎖不全症」というんですね。特に心臓の弁膜症で多いのは、左側の心臓、左心室の入り口と出口についている「僧帽弁(そうぼうべん)」と「大動脈弁」なんですね。これは左側の心臓というのは血圧をつくるために一生懸命動いているわけです。ですからその扉に負担がかかって病気が起きてしまうんです。
(小高)症状は弁によって違うんですか?
(菊地)基本的には息苦しさ、息切れなどが出てきます。例えば階段をのぼっていつもよりも息切れが出てしんどいなんて症状もありますし、大動脈弁に起こる病気の場合は胸が狭心症のように重苦しいようになってしまうこともあるんです。
(小高)でも階段をのぼって息苦しい、息切れしちゃう、というのは私たちの生活の中では、ちょっと体力や筋力が落ちたかな・・・というイメージがあります。
(つボイ)どこで区別をしたら良いんですか?
(菊地)実はなかなか難しいんです。今まで出来たことがだんだんで出来なくなっていくというのは、患者さんにとっては当たり前だと思う方もいるので、意外と分かりにくいんですね。ですから健康診断などで自分は大丈夫だと思っていても、心臓に雑音があるということで病気が見つかることがけっこうあるんです。
(小高)これは聴診器みたいなのを当てるんですか?
(菊地)はい、聴診器です。
(小高)それで分かるんですか!?
(菊地)あとは、なにか症状があるようでしたら心臓の超音波検査などを行うと、間違いなくしっかりと診断がつきます。
(小高)検査の時点で、どの弁が開かないのか・閉じないのかも分かるんですか?
(菊地)はい。超音波検査は非常に新診断力が優れておりますから、これが一番だと思います。ただ、やはりちょっとおかしいなと思ったらまずは近くの先生に診てもらうというのがとても重要です。症状が出ていても、意外とみなさんが病気にかかってからの時間が長くなるものですから、動かなくなって、階段を上らなくなったとか自転車をこがなくなったという方が割りといらっしゃいますから、聞いてみると症状がないという方もいるんですよ。
(小高)さっき言っていたみたいに心臓の病気とは思わないですしね。
(つボイ)負担をかけないように動いているわけなんですね。
(菊地)そうなんです。ですから、何かおかしいと思ったらまずは近くの先生に診てもらうのがとても重要だと思います。
(つボイ)わかりました。
(小高)心臓弁膜症については引き続きまた来週もお話を伺っていきます。一宮西病院の菊地慶太先生に伺いました。ありがとうございました。
(菊地)ありがとうございました。
(小高)「健康のつボ~心臓病について~」でした。
一宮西病院 心臓血管外科医 菊地慶太
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