ロボット手術について

ロボットを用いた心臓の手術ではまだ一般的ではありませんが、徐々に広まってきています.まDaVinciというロボットが今現在 手術に使われているロボットです。このロボットでできる心臓の手術は、僧房弁や三尖弁の手術、心房中隔欠損症、冠動脈バイパス術における内胸動脈採取です。冠動脈バイパス術ではロボットで左冠動脈の深くない冠動脈へのロボットによる吻合も試みられていますが、今のところ現実的な手術ではありません。これらの術式のメリットは傷が小さく胸骨を切らず、さらには肋骨を広げない事です。内視鏡の手術より、3Dでの術野が良く、またロボットアームの自由度もはるかに高いのが大きなメリットです。日本では心臓手術に関しては保険医療としては認められておりませんので、自由診療になり高額な医療費負担が患者さんには必要となります。いずれロボットの値段や維持費、更には技術の進歩により幅広く普及する日が来るかもしれません。日本の学会の諸先生方もそのためにがんばっています。心臓血管外科医 菊地慶太