2015年に米農務省と米保健福祉省がコレステロールを多く含む食品の摂取制限はコレステロール値に関係ない。ようするに「コレステロールを含む食品の過剰摂取が問題となる栄養素ではない」と発表しました。 また、飽和脂肪については、より厳しい摂取量の制限をすべきと発表しています。日本では飽和脂肪酸については皆さんあまり聞きなれていないかもしれません。飽和脂肪酸とは悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増やしてしまうもとになるものです。ただ解釈を誤ってしまうと良くありません。
これに対し、日本動脈硬化学会は以下のようなコレステロール摂取量に関する声明を出しました。
健常者において食事中コレステロールの摂取量と血中コレステロール値の間の相関を示すエビデンス(証拠)が十分ではないことから、コレステロール制限は推奨されておらず、日本動脈硬化学会も健常者の脂質摂取に関わるこの記載に賛同している。ただし、このことが高LDLコレステロール血症患者にも当てはまる訳ではないことに注意する必要がある。
との事です。
要するにLDLコレステロールが高かったり動脈硬化による持病を持っている方々には当てはまらない。との見解です。医学の知見は日進月歩。少し混乱してしまうかもしれませんが、持病のある方は注意下さいね!
心臓血管外科医 菊地慶太