心房細動を治す手術をMAZE手術といいます。基本的には何かほかの手術を行った時に一緒に行います。人工心肺を用いて心臓を止めます。そして心房を切開して治療を開始します。これまでにおおよその以上電気の発生部位や経路がわかっています。その場所を切開して縫合します。また電気の通り道を電気的に切断します。組織を挟む器具で心房を挟み、ここに電気を通電してタンパク凝固を起こして電気の通り道を切断します。

通常は弁膜症の手術や冠動脈バイパス術の手術時に同時に行います。

最近ではこのMAZE手術が少し縮小された肺静脈隔離術と左心耳閉鎖術を内視鏡で行う手術も徐々に行われています。この手術の日本の第一人者は、都立多摩総合医療センター、心臓外科の大塚俊哉先生です。WOLF-OTSUKA法（内視鏡化心房細動手術）と言います。左心房の隔離術と左心耳切除（心臓内血栓の溜まりやすい所）を行います。1時間以内で終了するそうです。この術式は心房細動の治療だけでなく、脳梗塞の予防や抗凝固薬の中止という意味でも多くの患者様に大きなメリットがあり、とても良い手術であると思います。

写真左が都立多摩総合医療センター、心臓外科部長の大塚俊哉先生です。心臓血管外科　菊地慶太