胸骨部分切開によるMICS

通常の開心術では胸骨をすべて切る手術を行います。胸骨正中切開といいます。手術の傷は15~20cm位になります。基本的には全ての心臓手術に対応できるアプローチ方法です。私の行っている胸骨下部部分切開によるMICSは胸骨の下の部分を切開する方法で、第2肋間まで切り上げます。胸骨の上部が切りません。皮膚の傷は6~8cm位です。この方法の利点は、①複合手術が可能な事。(例えば大動脈弁と僧帽弁や三尖弁の手術の組み合わせやMAZE手術など不整脈の手術、場合によっては冠動脈バイパス術などの組み合わせです。)②痛みが少ない事。退院時のご説明の時に、痛み止めをあまり必要としなかったことや、ベッドからの起き上がりがとても楽であったことなど感謝されます。リハビリの仕上がりも早いようです。③三つ目は傷が小さい事。です。

MICS CABG左胸の小さい傷で、MICS MVP( 僧帽弁形成術)は右の胸の小さい傷で行う事は変わりありませんが、胸の真ん中の小さい傷は思いのほか痛みが少なく好評です。

IMG_1884心臓血管外科医 菊地慶太