今日は少し難しいお話をします・・・。
血液中のコレステロールは、たんぱく質と複合体を形成してリポタンパクとして存在しています。リポタンパクは、その比重によってHDL(高比重リポタンパク:high density lipoprotein)、LDL(低比重リポタンパク:low density lipoprotein)、VLDL(超低比重リポタンパク:very low density lipoprotein)、カイロミクロン(乳び脂球:cylomicron)の、4種類に分けられます。その中でもコレステロールを主に運んでいるのがHDLとLDLです。HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼んでいます。このHDLコレステロールはいわゆる善玉コレステロールといわれています。なぜならHDLが血管の壁にたまったコレステロールを抜き取って肝臓に運搬する役割を果たしており、血管内のコレステロールの掃除を行うからです。一方のLDLコレステロールは悪玉コレステロールと言われています。LDLは肝臓のコレステロールを体の隅々に運んでいます。ですからLDLコレステロールが増加すると、体のコレステロールが増えて動脈硬化を促進するからです。LDLコレステロールがなぜ悪玉なのか理解していただけましたか?高脂血症などの病気はすぐに症状が出るものではありませんが、やがては命の失うような重大な病気を引き起こすことが問題なんです!ぜひ意識して検査の値を見てください!
心臓血管外科医 菊地慶太