大動脈解離と高血圧

大動脈解離、解離性大動脈瘤などという病気の名前を聞いたことありますか?

大動脈(動脈全てですが)は内側から内膜・中膜・外膜と三層構造から成り、心臓から出た血液(120/70mmHg位の血圧)を全身に供給しています。この大動脈が高血圧によって内側の壁(内膜)に傷が付き、この内膜が傷のついた部分から剝がれて裂けてしまった状態で、裂けた血管の部位に血流が入り込み、大動脈の足の方へどんどん裂けてしまい、出血や血流障害(臓器の虚血)をひきおこす病気です。裂けることに伴い、とても激しい痛み(25年前の教科書には焼け火箸で背中を刺されるような痛みと書かれていました)が出現します。発症した患者様は、多くの方があぶら汗をかき声も出ないくらい痛がります。

発症から未治療だと48時間で50%の死亡率とも報告される極めて危険性の高い病気です。50歳代くらいの男性に多く、普段はお元気で赤ら顔の方。また健康に自信があり(検査などしていない方が多く、健康である事の根拠はないようです。)病院なんか行かない方が多いようです。なぜなら患者様のご家族から“いままで病気1つなく元気で、医者にもかかったことなんてないのに”と聞くことが多いのです。このような方はご注意を!自分の血圧はどのくらいかは知ることが大切です。一般的に高血圧症に当てはまる方は、一度 受診をお勧めします。お薬を飲まなくても、塩分をひかえたり、運動を行ったりして血圧を下げることが出来ます。まずはご自分の血圧管理から!

 高血圧症の基準 (厚生労働省のホームページからのものですが)

 高血圧症は

収縮期血圧(上の血圧)が140以上

拡張期血圧(下の血圧)が 90以上 といわれています。

 

また家庭血圧の高血圧基準は

収縮期血圧(上の血圧)が135以上

拡張期血圧(下の血圧)が 85以上 といわれています。

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心臓血管外科 菊地慶太