胸の真ん中にある胸骨という骨。これまではこの胸骨を縦に切開しないと心臓の手術は行えませんでした。現在では、MICS(低侵襲心臓手術)という新しい手術術式が確立されてきており、左や右の前胸部を小さく切開したり、この胸骨を部分的に切開して手術を行えるようになりました。傷の大きさは6~8cmで胸骨部分切開では心臓の弁膜症の手術を複合手術も含めて行っています。この術式では、大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈弁置換術。僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症に対する僧帽弁形成術や弁置換術。三尖弁形成術、これらの複合手術。また心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の手術を行う事が出来ます。回復が早く痛みがとても少ないのが利点です。特に痛みは思った以上に少ないようです。心臓血管外科医 菊地慶太